L'odoriter 料理人の新しいプロダクト。田村浩二の挑戦。

シェフとして、人として。今感じていることを少しずつ綴っていければと思っています。

シェフという立場になって。

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10年東京で働き、フランスへ1年間の修行。

 

気が付けば12年目でシェフという立場に立てました。まだシェフになったばかりですが、世の中の人からすればなったばかりでも、5年目でもシェフはシェフ。同じステージで多くのシェフと比べられる立場になりました。

 

12年前に憧れていたシェフという役職。

 

今自分がその役職になり、当時思い描いていた自分になれているのか。

 

僕はスタッフに『シェフ』と呼ばせません。

呼ばれないだけかもしれませんが(笑)

 

まだ、自分の描いていた『シェフ』では無いですし、何よりまだまだ僕自身学びの途中なので、『シェフ』と呼ばれることに対して少し違和感があります。

 

勿論立場上そんな事は言ってはいけないのかもしれませんが、その呼び方にスタッフとの壁があるようにも感じてしまいます。

 

僕が働き始めた12年前と今の『シェフ』の立場や環境はかなり変化しました。

良くも悪くも昔はシェフが絶対。黒なものもシェフが白と言えば白。理不尽な事ばかりありました。

ただ、その環境が今の僕の精神的な強さを作り、忍耐力を育て、反骨精神に火をつけた事は間違いありません。

 

しかし今は違います。

 

時代が流れ、テクノロジーは進化し、料理はもとより生活環境や人の考え方も変わりました。

 

その中で僕らの働くレストラン業界は少し変化の流れに取り残されてるようにも感じます。

 

テクノロジーの進化と共に、今まで出来なかった事が出来るようになり、仕事にかかる時間は確実に減っています。より効率的に、より多くの事が学べる環境を作れる中で、今までと同じ様に仕事をしていくのはとても違和感を感じます。

 

守るべき伝統は、時として壊すべき物かもしれません。価値観は人それぞれですが、僕は新しい何かにチャレンジしたい。

 

シェフという立場になったからこそ考え、行動できるのかもしれません。

 

先輩方が作り守ってきた伝統を重んじながらも、それを壊し自分の道を切り開いていきたい。

 

その為に先ずはシェフとしての自分を磨き上げていきます。

 

本当の意味で『シェフ』と呼んでもらえる様に。