自己紹介6。料理が好きだと再確認できた半年間。
名古屋での2ヶ月の生活を終え、東京へ戻ってきた。まだ新しいお店が出来るまでには時間がかかるらしく、また他の仕事を探す事に。
2倍の家賃がかかっていたこともあり、ノンビリしている余裕はなく、派遣のアルバイトに登録し直ぐに働き始め、この時初めて料理以外の仕事をし、ベルトコンベアーで流れてくるモデムの解体作業や、ひたすら箱を作る仕事などもした。
お金の為とはいえ、やりたい事ではない仕事をするのが想像以上に苦痛だった。この時自分には料理しかないなと改めて思い、そのタイミングで下村シェフから、知り合いのお店を紹介して頂き残りの半年間を過ごす事が出来た。
とはいえ、自分の時間がかなり有ったので、その間は専門学校の図書室へ行き、過去の専門料理を全て見返し、下村シェフの料理を全てコピーしてもらい自分なりに下村シェフの料理を勉強した。幸いな事にかなりの量のデータを手に入れる事が出来、その時改めて下村シェフの凄さを実感した。
下村シェフの料理はどんな料理で、何が特徴なのか。写真やレシピ、掲載されていた文章を見ながら少しずつ自分の中にイメージを蓄え、実際に調理場に入った時に直ぐ闘えるよう準備した。
何事にも準備をしておきたいタイプの僕は、事前に出来ることは可能な限り調べ、咀嚼し、自分の中に消化する。その上で実際に闘う時は瞬発力を重視する。考えなくても動けるように準備するのだ。野球の練習と同じように。
『Edition Koji Shimomura』がオープンした直後は僕はサービスをしていた。
調理場には3個上の先輩が居て、僕が調理場に入るスペースがなかったのだ。
ただチャンスは直ぐにやってくる。
事前に出来る限りの準備をしておけたことが、僕の闘う場所を調理場へと導いた。