L'odoriter 料理人の新しいプロダクト。田村浩二の挑戦。

シェフとして、人として。今感じていることを少しずつ綴っていければと思っています。

美味しいカレーの作り方。

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自己紹介も長くなって来たので、ここで小休止を。

 

今Tirpseで行われているイベント、『つかんと』でも出しているカレーについてこだわりと作り方を書こうかなと。

 

初めて働いたお店の賄いでカレーを作るときに、ルーを使って目から星が出るほど怒られた僕は、カレーにはルーを使いません。

 

じっくりと炒めた野菜とスパイス、少しのフルーツに肉を入れたカレー。

 

説明だけだと簡単ですが、この工程にはいくつものポイントがあります。

 

まず野菜。

 

玉ねぎはキャラメル色になるまでゆっくりと丁寧に1日かけて炒めます。初めは大きな鍋で炒め、カサが少なくなる度に鍋を変え、火を弱めじっくりじっくり炒めます。

 

途中鍋底が色づいて来たら、少しだけ水を足し更に炒め続けます。

 

この玉ねぎがカレーのベースを支えるので、出来る限り丁寧に炒めます。この時にしっかり目に塩をするのも大切です。

 

カレーに入る全ての食材に塩をして味を引き出し、水分を出やすくする事で旨味のあるカレーが出来ます。

 

玉ねぎを炒めるのと同時に別の鍋では、ラードをしき、みじん切りにしたニンニクとショウガをゆっくりと色づけ、同じ様にみじん切りにした人参とセロリを水分を飛ばしながら炒めます。ここでも塩を忘れずに。

 

水分が飛びきったところで、トマトを軽く刻んだものを入れ更に煮詰め火を止めておきます。

 

キャラメル色になった玉ねぎに炒めた人参とセロリ、フルーツのチャツネを加え、スパイスを加えます。

 

スパイスは辛いもの、苦いもの、甘いものとタイプによって違うのですが、一番大切なのは全体のバランスです。

 

クミン、コリアンダーフェンネルホワイトペッパー、ブラックペッパー、チリペッパー、シナモン、カルダモン、パプリカ、ターメリックローリエクローブスターアニス、二ジェル、フェヌグリークなどなど10数種類を組み合わせて使います。

 

スパイスは使う直前にオーブンで軽く温めるかフライパンで乾煎りし香りを立たせてからミルで粉末にします。

 

スパイスを加えたら玉ねぎ等をもう一度火にかけ、ゆっくりとスパイスをなじませます。これでカレーのベースが完成です。

 

肉は一口サイズより少し大きめに切ったものを軽く塩をしてフライパンで色付けたもの(シッカリとした焼き色は美味しさを表面に集めるのと、食欲を誘う香りを纏わせるため)を先ほどのカレーのベースに加え、肉が浸かるギリギリの液体(出来れば肉の出汁、なければ昆布出汁)を加え火にかけ、水分がなくなる度にその都度足していきます。

 

出来る限り水分は加えたくないのです。

 

鍋底の旨味が色付くか付かないかの状態で常にいることが美味しくなる秘訣です!

 

そして、出来れば5〜6時間煮込んで下さい。

 

煮込む間に玉ねぎなどの野菜の繊維が溶けソースになり、肉の繊維は柔らかくなります。

 

基本的には具のあるカレーではなく、カレー自体を美味しくするカレーです!

 

もし具が欲しい方は後から足しましょう(笑)

 

そして食べるのは必ず次の日です。

 

冷蔵庫で一晩冷ます間に全ての素材とスパイスが混ざり合い一体感を持ちます。

 

あくまで個人的なカレーの好みです。

 

ツカントで食べた方には伝わるかなと思います。

 

レシピは載せませんが、気になる方は是非ご連絡を。