L'odoriter 料理人の新しいプロダクト。田村浩二の挑戦。

シェフとして、人として。今感じていることを少しずつ綴っていければと思っています。

新世代の料理人に求められる能力とは?

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世界中に様々なレストランがあり、今後も際限なく増えていくであろう今日この頃。10年前の様に、自分の店を出せば1つのゴールの様な時代は終わった。

 

それでもやはり、料理の力は凄いと思うし、シェフをしているおかげで普段会えない様な様々な方とお会いする事が出来る。

 

テクノロジーの進化によって人々の仕事の仕方は多様に変化し、それぞれのライフスタイルに合った働き方を選べる様になってきている。場所にとらわれず、時間にとらわれず、人にとらわれず。

 

レストランという仕事は労働集約型産業であり、必然的に拘束時間は長くなり、食材という目に見えるコストをかけて仕事をする。

 

レストランで働いているとそれはごく当たり前の事だが、他の仕事からするとそれは少し違う。所謂『原価』というものが殆どない仕事もある。むしろそうゆう仕事の方が多いかもしれない。色んな方と出会い、話をする度にレストランという職種の特殊性と現実に気付く。

 

だからと言ってレストランを批判する訳ではないし、自分自身レストランが大好きだし、この仕事に自信も誇りも持っている。ただ、それだけでは生きてはいけない。

 

自分が今後どの様な人生を過ごしたいのか。

 

自分の現状と持っている武器、そして今後世の中がどう動くのか。

 

レストランの需要はどう変わっていくのか。

 

テクノロジーの進化と共に料理人も進化する必要があると僕は思う。

 

自分にとって『料理』とは何なのか。

 

自分の幸せの為の手段なのか、お金を稼ぐ為の手段なのか、誰かの為のものなのか。

 

僕にとって料理とは自己表現であり、コミュニケーションツールであり、もちろんお金を稼ぐ為の手段だ。この『稼ぐ』というところはとても大切で、ここを明確に意識出来るかどうかが分かれ道になると思う。

 

日本人は得てして『稼ぐ』事が苦手だ。僕も決して得意ではないし、人に頼まれるとすぐに安くしてしまう。

 

でも最近思う事は、自分が1日18時間も10年以上人一倍考え働き、身に付けてきた技術や知識はそんなに簡単に安売り出来るものではない。

 

何が言いたいかというと、お金持ちになりたいという事ではなく、自分の培ってきたモノに対して客観的にフォーカスし、それに対して相応の対価としてお金を稼ぐ意識が大切だという事です。

 

求められる事を求められる場所で出来るかどうか。

 

料理人、シェフという生き方を型にはめず、今の自分の肌で感じる何かと、自分自身の中からしか生まれないモノで、『田村浩二』という生き方をしたい。