L'odoriter 料理人の新しいプロダクト。田村浩二の挑戦。

シェフとして、人として。今感じていることを少しずつ綴っていければと思っています。

自己紹介30。パリ無職、初めての働かないクリスマス。

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秋も深まってきた11月13日、約半年ぶりにパリに戻ってきた。

海と自然に囲まれた南仏とは違い足早に歩く人たちを見ると、東京に帰ってきたような感覚になる。

 

やけに多いパトカーに違和感を感じながらも家に帰り、ネットが繋がらなかったので早めに眠りについた。

 

次の日、ネットを繋ぎFacebookを見ると、家から20分くらいのところで大規模なテロがあったと分かった。道理でタクシーがあんなに走っていたわけだ。ヨーロッパはテロが多いと聞いていたが、まさか自分の近くで起こるとも思わず、少し恐怖を感じた。それでも街は少し人ひと気が少ないくらいで、静かに動き出していた。

 

テロも怖いが、仕事が見つかっていない自分の今も十分怖い。またゼロから働き口を探さなければならないのだから。また地方に行くべきか、パリで働くべきか悩んでいたところに一通のメッセージが来た。日本でお世話になているフロリレージュの川手chefに紹介して頂いた、レストランESの本城chefからだ。

 

「年明けから働ける人を探しています。もし誰か心当たりがあれば教えてください。」

 

「僕も仕事を探しています。来年6月までなので、期間が短いのですが。」

 

こんなやり取りから、会ってお話をさせていただくことになった。フランスに行く前から川手chefにお話を頂いていたこともあり、とてもありがたいタイミングだった。

 

本城昴結稀さん、パリの調理師学校を経て三つ星アストランスで修行。東京のカンテサンスの立ち上げから参加し三つ星を得た後再渡仏。マルセイユの三つ星プティ・ニースやスペインムガリッツ、デンマークのノーマなどで働き、自身の店ESを立ち上げました。

 

経歴だけ見ても、とてもすごい方だと分かる。実際に会ってみると、とても物腰が柔らかく穏やかで優しい方で、同じAB型という話題でも盛り上がり、(川手chefもAB型)僕がビザの関係で残りの働ける期間が短い事と、本城chefのスタッフが一時的に抜ける期間がほぼ同じだったこともあり、このご縁にお世話になる事にした。

 

 

とはいえ働くのは来年から。年内はどうしようかと悩んだが、中途半端に働くくらいなら、一か月のんびりしようと決めた。料理人となって初めて働かないクリスマス。それまで働いたミラズールの事や自分の料理の事をまとめつつ、冬のフランスの食材に触れる時間を増やし、贅沢な一か月を過ごした。

 

年が明ければまた仕事が始まる。今度はどんな出会いとハプニングが待っているのか。

 

フランスの最終章が始まる。