L'odoriter 料理人の新しいプロダクト。田村浩二の挑戦。

シェフとして、人として。今感じていることを少しずつ綴っていければと思っています。

スペインの風。

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8/16、17日に行われたコラボイベント『TETXUBARRI』。

スペインにある世界ベストレストラン50の5位、ETXUBARRIで働くスーシェフ前田哲郎さんを迎えて行った初めての薪焼きイベント。

 

帰国してからも忙しく中々コンタクトの取れないテツさんに翻弄されながらも、最終日には何とも言えない高揚感と充実感、そしてスタッフとお客様との一体感は言葉に出来ないものがありました。

 

フランスでの修行時代、スペインだけ行かずに帰ってきましたが、スペインへ行くとても大きな目的が出来ました事を嬉しく思う。

 

薪という、いかにも原始的な火入れですが、その魅力はとてつもない物があり、脳に直接響くそんな素晴らしさがあります。

 

炭でもなく、藁でもなく。

 

その独特な香りは人の心を鷲掴みにする。

 

テツさんは普段自然と共に生き、あるがままの姿の食材と対峙し料理を作る。『食材に早く使えとお尻を叩かれているような感覚』と彼は言った。

 

東京で料理をしていると、いつでも食材が届く。しかしそれは流通の為に完熟する前に収穫されたものが多かったりする。

 

今使わないとピークを超えてしまうというような、食材に煽られるような事は極めて少なく、それゆえ、食材の本来一番良い状態というものに対しての感覚は掴みにくくなっているのかもしれない。

 

当たり前だが、食材は皆生きている。

 

その命を頂くということは、その命が一番輝く状態にしてあげることが料理人としての使命なのではないかと思う。

 

人の都合ではなく、食材の都合で料理を作る。

 

そんな素晴らしい環境で仕事をしているテツさんに憧れを持ちながらも、東京でしか出来ない、自分にしか出来ない料理とは、という答えのない問いに挑み続けなければなと、改めて気を引き締める機会となった。

 

ただ、そんな難しい事は抜きにして、ありのままの姿で料理に悩み、楽しむテツさんは、料理人として、人として、最高に魅力的だ。

 

薪の香りを味方につけて、自分の料理を更に高みへ。

 

そしてまたいつかテツさんと働けるその日まで。

 

テツさん、最高に楽しかったです。

 

またサウナ行きましょう。

 

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