L'odoriter 料理人の新しいプロダクト。田村浩二の挑戦。

シェフとして、人として。今感じていることを少しずつ綴っていければと思っています。

ブログを読んでくださる皆様へ

f:id:koji-tamura0929:20180701091140j:imageブログを書き始めて約1年が経ちました。

 

最近は自身の活動が目紛しく変化して、なかなか継続的に書けてはいませんが、これからも地道に書いていきたいと思っております。

 

そして、文章を書く場所をここはてなブログからhttps://note.mu/koudyへと変更します。

 

 今後とも宜しくお願い致します!

 

環境に依存しない心の保ち方。

f:id:koji-tamura0929:20180512134835j:imageまだ仕事を始めたばかりの頃、周りの先輩は基本敵だと思っていた。

 

『この人達を追い抜かない仕事が回ってこない。どうにかして倒さないと。』

 

ずっとこのスタンスで働いてきたからこそ、人より早く仕事を覚えたし役職ももらえた。若さゆえの感覚だろうが、歳を重ねてもこの感覚でいるのはとても危険に思う。

去年までは僕もこの感覚が抜けていなかった。自分を評価する人に負けないようにバカにされないようにと必死に働き、少しでも自分を大きく見せようと努めていた気がする。写真で笑えなかったのも、そんな気のゆるみを見せたくなかったからか。

 

そして他人の評価に一喜一憂し、常に感情が動きながら働くので、ネガティブな時はすぐ誰かに当たってしまう。感情のはけ口にするように。そんな世界が当たり前だと思っていたが、そんなものは料理人とごく一部の職人の世界だけ。

 

誰かが良いと言えば喜び、悪いと言えば苛立つ。自分の評価を上げたいがために誰かを悪く言い、自分を正当化する。他人の良い話を聞けば、『いや俺も凄いんだよ』とマウンティングを始める人も少なくない。相手を下げる事でしか自分を保てない。何とも悲しい光景だ。

 

料理やファッションには正解はない。あるのは個人個人の価値観だ。自分の価値観で全てを判断し、違う価値観の人を受け入れられないのは何とも寂しい。ましてや相手に自分の価値観を押し付けるなんてもってのほか。自分を認められない人は、きっと他人も認められない。同じ価値観の人が集まり、傷をなめあうように愚痴を言う。

 

どんな些細なことでもいい。自分で自分を誇らしく思えるものを見つけよう。他人に何を言われようと、自分が自信を持てるものを。他人の目や声に揺さぶられない確固たる自分を持つ。他人の評価を気にする時間があるならば、少しでも素敵な自分になろう。

そんな人に周りは惹かれる。常に明るく幸せそうに働く人に僕はなりたいし、そんな人と一緒にいたい。

 

自分を保つのは、周りの環境(外的要因)ではなく、あくまでも自分自身だ(内的要因)。周りに保ってもらおうとしてはいけない。そして他人からの評価とは自分がやってきたことだ。日々の積み重ねが評価を作る。何もしなければ評価もない。評価がないことを嘆く前に、自分が何もしていないことを嘆くべき。

 

評価される人には必ずその理由がある。

 

日々を大切に一つ一つ積み重ねていこう。

 

 

忙しなく過ぎる日々の中で

f:id:koji-tamura0929:20180503201425j:imageイベントが多かった4月が終わり、少し落ち着きを取り戻してきた5月。

 

パソコンに向かう時間を少しずつ取り戻している。昨年1年間で多くの方と会い、自分の事を知ってもらうことが出来て仕事の話が増えてきた。料理人の働き方に疑問を持ち、自分なりに自分の強みを活かす働き方を考えて行動をしてきた成果が出始めていることがとても嬉しい。

 

自分たちが当たり前だと思っている知識や技術は他の業界の方からすると特別だ。料理人が一般の人たちの倍以上の時間をかけて培ってきたそれを、もっと武器にしなければならないと僕は考えている。お皿の上だけで表現するのは勿体ない。

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シェフとして働きながら、ベンチャーを立ち上げ、個人事業主としても活動。我ながらいろいろやっているなと思うけれど、全ては繋がっていて無理をしているわけではない。シェフとしての評価が自分のプロダクトの価値を高め、プロダクトは僕をPRしてくれる。そしてプロダクトを手にした人が僕の存在を知り、お店に足を運んでくれたり、別の誰かに話をしてくれる。レストランに缶詰でも様々なものが僕にご縁を運んでくれる。

 

ただここまで来るだけでも大変なことは沢山あった。休みを使って外に行き人に会う。のんびりしたい気持ちもあるが、時間とお金をかけて自分に投資する。好きではなかったSNSを真面目にやり、少しでも多くの人に自分を知ってもらう。自分のプライベートを人に見せるのは好きではないが、仕事だと思えば何でもやれる。

 

沢山の人のアドバイスや力添えで今がある。決して忘れてはいけない。

 

まだ公にはできないが、北海道や名古屋でのお仕事。有名ベンチャーとの取組み。

インスタから始めたチーズケーキの事業を色々な方と手を組んでビジネスにしていく事。伊勢丹さんとも第2弾の商品開発をしている。当たり前だが毎日TIRPSEで厨房にも立っている。休みという休みがないのは改善しなくてはと思うけれど、仕事が楽しすぎてそれどころじゃない。沢山の人と会うたびに化学反応が起こり、新しい世界が広がる。つくづく仕事人間だ(笑)

 

今年も残り8ヶ月。来年は自分でお店をやる。まだ何も決まっていないけれど、絶対にやる。自分という人間の価値を信じ、多くの人の幸せのために働きたい。そして自分の幸せの為にも。

 

若い料理人たちにはもっと自由に働いてほしい。今までの当たり前なんてあと1,2年で白紙になる。料理人に限らず新しい働き方や新しいビジネスがどんどん生まれる。いや、既に生まれている。守る大切さを十二分に分かった上で新しい考えで働こう。

 

今の時代を生きる感覚は、今の僕達にしか分からない。

 

迷うな、止まるな、諦めるな。

 

悩み、もがき、苦しんだ人だけが先に進める。

 

自分の人生をかけて、料理人の可能性の枠を広げていく。

 

『為せば成る 為さねば成らぬ 何事も 成らぬは人の為さぬなりけり』

 

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先月からチーズケーキ始めました。世界一美味いので宜しければ是非(笑)

 

https://mrcheesecake.official.ec

サービスマンとは何なのか?

f:id:koji-tamura0929:20180423153442j:image昨年恵比寿にあるJULIAというレストランに出会い、サービスマンの重要性を再確認した僕は、事あるごとにイベントをしチーム75というサービスマンの団体が生まれ、そこから初めてのイベントが昨日開催されました。

 

サービスマンが主体となるディナーイベントは本当に楽しく、レストランっていいよね、最高だよねと言える時間になった。オープンキッチンのカウンターでのサービスはシェフ達にも一体感を与え、全ての人で時間と空間を作っている感覚。

 

ワインから考える料理のマリアージュ。普段とは違う頭の使い方や香りの重ね方。常々肉料理はシンプルに作ってきましたが、今回のような仕立ても良いなと自分の料理にも変化がありそうです。何より本当に楽しかった。やはり僕はオープンキッチンが好きだ。顔を見ながら会話をしながら料理を作り、お酒を飲みながら盛り上がる。レストランは料理だけではない。

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来年は自分のお店を持とうと思っている。小さなお店になるだろう。カウンターのある10席ほどのお店で、自分もゲストも楽しめる空間にしたい。まだ何も決まってないけれど、目指すべきスタートは見えた。

 

次回のイベントは夏を予定している。今から楽しみで仕方がない!あの一体感は来た人でないと伝わらないだろう。是非多くの人とこの感動を分かち合いたい。今回来ていただいた多くの人とチーム75のメンバーに出会えて奇跡に乾杯(JULIA本橋さんの決め文句)

伊勢丹フランス展。

4月14日から今日までの3日間、新宿伊勢丹フランス展に出展していました。

 

初めての百貨店での催事。事前の準備や打ち合わせの密度、当日のお客様の層や流れ。全てがレストランとは違い、Tirpseを知らない人がほとんどで。そんな中どうやって興味を持ってもらうのか、カウンターをどう使いお客様の心をつかむのか。

 

今までオープンキッチンの方が長かった僕は、久しぶりのカウンターが楽し過ぎた。会話をしながら食事をしてもらう。料理は大切だけれど、それが全てではなくて空間と時間をどう作るのかが大切。来年の独立へ向けてとても素晴らしい再確認が出来た。

 

そして何よりもスタッフのみんなが本当に楽しそうに頑張ってくれた。普段よりもスタッフの個性が現れて、これからのTirpseの営業にも大きな変化があるだろうと確信する。

 

うちのスタッフは人たらししかいません(笑)

 

みんながそれぞれお客様の心を掴む力があり、愛があり、楽しんでいる。

 

こんなメンバーとも残りわずか。

 

もっと多くの人にTirpseの素晴らしさが伝わります様に。

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出会いと別れが僕達を強くする。

桜が咲き暖かい風が吹き始めるころ、世の中は出会いと別れが交錯する。僕の働くレストランでも大きな別れがあった。

 

渥美彰人。僕がシェフになって初めての右腕(副料理長)がお店を辞めた。辞めたといっても素晴らしい門出であり、心からの感謝とお祝いの気持ちでいっぱいだ。渥美君がいなければ、今の自分の立ち位置も料理もなかったと思っている。それくらい渥美君は僕にとって大きな存在であり、同志のような、弟のような特別な人。

 

ただ渥美君も初めから何でもできたわけではない。どちらかと言えば不器用だし、人に頼むのも苦手そう。(同じAB型の僕と似ているので合っているはず)色々な問題の中スタートした僕のシェフとしての初めの半年は、心も身体も擦り切れるような毎日だった。今までの根拠のない自信は跡形もなく消え、矢面に立ち評価を全て自分の名前のもとに受け取ることが、こんなにも大変な事かと日に日にすさんでいった。

 

渥美君に当たることも少なくなかった。きっとその時の渥美君は僕の事がとても嫌いだったと思う。(後に実際に言われたw)ただ渥美君は、少しずつ確実に仕事の精度を上げ僕を支えてくれた。料理やそれ以外の仕事、プライベートまで全て話すようになり、自分の考えや美味しさをデザインするにはどうしたら良いか。本当に細かいところまで話すことで、普段の仕込みは勿論、賄もびっくりするほど美味しくなり、渥美君が作った賄からメニューのソースが生まれたくらい!

 

何度も料理作りなよと言ってもやらなかった渥美君ですが、最後には自分の一皿を創り出してくれ、いなくなった今でもその料理はメニューに入っています(今月いっぱいやります)。そしてとある雑誌にも共演出来る予定。

 

今までも多くの人と働き、印象に残っている人も沢山います。それでも自分が一番きつく不安や葛藤に襲われる中、最後まで働きぬいてくれた渥美君は僕にとって一生忘れる事のない最初の右腕です。

 

今後彼がどのように進もうとも、僕は応援するし、支えて行ければと思う。きっと渥美君も新しい働き方を模索して、自分らしいライフスタイルを作るでしょう。

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ティルプスは残り8か月を切りました。韓国から来たジュンと新しく入ったゆうた。そしてシェフパティシエのうづき!この四人で調理場は盛り上げていきます!サービスのタカを含めてAB型ばかりの自由なチームですが、残りも宜しくお願いします!(勿論オーナーも)

 

渥美君本当にお疲れさまでした~!二週間後の新宿伊勢丹フランス展で会いましょう(笑)

 

石川県

f:id:koji-tamura0929:20180330134954j:image今年に入り、福島、富山とお仕事で呼んでいただけることが増えてきました。

 

そして先日は石川県へ。

 

一度仕事で行ったことがある位でこれまであまりご縁がなく、今回お話を頂いた時とても嬉しく楽しみでした。初めての地域に行くときは、何とも言えないワクワク感で溢れます。今回はどんな食材に出会えるのか、どんな人とご縁が生まれるのか。

 

週に一度の休みに地方へ行くのですが、大体朝一の新幹線や飛行機で行くことが多く、とても朝が早い。仕事の疲れや睡眠不足などもありますが、それ以上の高揚感は何ともいない。つくづく好きだなと思います。

 

空港に着いて先ず向かったのは、伝統野菜の加賀レンコンの生産者の川端崇文さんの元。色々な畑を見てきましたが、レンコン畑は初めて。実際に収穫体験までさせて頂きましたが、レンコンに対する概念も敬意も180度変わりました。収穫がどれだけ大変か、そもそも畑作りからとてつもない拘りがあり、美味しさの為にどこまで出来るかを考えている。『自分の子供たちに食べさせる事を考えると自然と無農薬になりました』と川端さんは笑顔で語ってくれました。

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レンコンは泥の中にいます。その泥を水圧でどかしながらレンコンを掘るのですが、その水圧の強さと言ったら数分支えるだけでも腕が疲れるほど。しかも身動きの取れない泥の中で。僕達は体験だけなので数十分だけでしたが、ピークの時には朝から日が暮れるまで作業は続くそう。今まで何気なく使っていたレンコンが、この経験により特別な存在に。レンコンが主役の一皿を考えて皆に食べてもらいたい。

 

川端さんはもともとは美容師だったそう。その後色々な職業を経て農業の世界へ。最近出会う若手の農家さんたちは、生粋の農家ではなく違う業界から参入している人が多い。皆さんきっといろんな思いの中農業をしていると思いますが、本当に素敵な笑顔で食材の話をしてくれる。そんな人たちに出会うたびに、今自分に出来る事は何かないかと思考を巡らせる。東京ではない、地方からしか出来ない何かを。

 

色んなジャンルの人を巻き込んで何か大きなイベントを起こしたい!

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