L'odoriter 料理人の新しいプロダクト。田村浩二の挑戦。

シェフとして、人として。今感じていることを少しずつ綴っていければと思っています。

出会いと別れが僕達を強くする。

桜が咲き暖かい風が吹き始めるころ、世の中は出会いと別れが交錯する。僕の働くレストランでも大きな別れがあった。

 

渥美彰人。僕がシェフになって初めての右腕(副料理長)がお店を辞めた。辞めたといっても素晴らしい門出であり、心からの感謝とお祝いの気持ちでいっぱいだ。渥美君がいなければ、今の自分の立ち位置も料理もなかったと思っている。それくらい渥美君は僕にとって大きな存在であり、同志のような、弟のような特別な人。

 

ただ渥美君も初めから何でもできたわけではない。どちらかと言えば不器用だし、人に頼むのも苦手そう。(同じAB型の僕と似ているので合っているはず)色々な問題の中スタートした僕のシェフとしての初めの半年は、心も身体も擦り切れるような毎日だった。今までの根拠のない自信は跡形もなく消え、矢面に立ち評価を全て自分の名前のもとに受け取ることが、こんなにも大変な事かと日に日にすさんでいった。

 

渥美君に当たることも少なくなかった。きっとその時の渥美君は僕の事がとても嫌いだったと思う。(後に実際に言われたw)ただ渥美君は、少しずつ確実に仕事の精度を上げ僕を支えてくれた。料理やそれ以外の仕事、プライベートまで全て話すようになり、自分の考えや美味しさをデザインするにはどうしたら良いか。本当に細かいところまで話すことで、普段の仕込みは勿論、賄もびっくりするほど美味しくなり、渥美君が作った賄からメニューのソースが生まれたくらい!

 

何度も料理作りなよと言ってもやらなかった渥美君ですが、最後には自分の一皿を創り出してくれ、いなくなった今でもその料理はメニューに入っています(今月いっぱいやります)。そしてとある雑誌にも共演出来る予定。

 

今までも多くの人と働き、印象に残っている人も沢山います。それでも自分が一番きつく不安や葛藤に襲われる中、最後まで働きぬいてくれた渥美君は僕にとって一生忘れる事のない最初の右腕です。

 

今後彼がどのように進もうとも、僕は応援するし、支えて行ければと思う。きっと渥美君も新しい働き方を模索して、自分らしいライフスタイルを作るでしょう。

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ティルプスは残り8か月を切りました。韓国から来たジュンと新しく入ったゆうた。そしてシェフパティシエのうづき!この四人で調理場は盛り上げていきます!サービスのタカを含めてAB型ばかりの自由なチームですが、残りも宜しくお願いします!(勿論オーナーも)

 

渥美君本当にお疲れさまでした~!二週間後の新宿伊勢丹フランス展で会いましょう(笑)