32歳、今後何を見据え、どう生きるか。
フランスから帰国し二度目の誕生日。
昨年9月からシェフになり、自分の料理を作り出してから一年が経った。
去年の誕生日は、初めて作る自分の料理への不安でバタバタしていた事しか覚えていない。それでも1年間料理を作り続けて見えてきたものは、自分が思っていた以上に大きいと思う。
それ以上に変わったのは、自分を取り巻く環境だ。
昨年末のWORLD50のDiscoveryseriesで選ばれたことや、今年1月のOADで111位に選出されたこと、4月には33以下の料理人のコンペ SevenSamuraivol.2で3位に、5月には福岡ルイガンズで行われたDREAMDUSKvol.2に呼んでいただけたこと。
少しづつ田村浩二が世の中に認識されてきたのを実感するとともに、今まで以上に自分に対する目が厳しくなるのを感じている。
シェフになったばかりの頃は、無人島で大声を出し『僕はここにいる』と叫んでいるようだった。
TIRPSEのシェフが変わったことなどごく一部の人しか知らなかったのだから。
しかし、そこからSNSを真面目に使いだし、最近ではブログも始めた。
フランスから帰国して直ぐは、Facebookの友達が700人しかいなかったが、今は3倍の2200人まで増えた。単純に自分が発信することが3倍の人に届くのは凄いことだ。自分がお店にいながら、多くの人に自分の考えや価値観を伝えられる。
『料理を美味しく作るのは当たり前』
この前提をクリア出来てる人は一体何人いるのか?海外で食べた料理のコピーや、有名シェフの盛り付けを真似しただけの料理。SNSが盛り上がるのと同時に、料理の本質が見えにくく、伝わりにくくなっているとも感じる。
良いものを作れば誰かが見つけてくれる時代は終わった。様々な物が飽和状態の今の世の中では、『伝え方』を考えなければ生き残ってはいけない。
料理の本質はそのままに、伝え方を変えていく。より総合力が求められる時代だと思っている。
レストランの中だけで生きていくのは、今の僕にはつまらない。もっと広い世界で、料理をコミュニケーションツールにし、様々なジャンルの人と交わる事で生まれる大きなエネルギーを、日本から世界へ。
日々一歩一歩、一つ一つ積み重ねる事でしか辿り着けない新しいステージを目指し、精進していきます。
これだけ自由に行動出来るのも、Tirpseオーナーの大橋さんのお陰です。
僕が行動する事で、少しでもTirpseに貢献できるように。
32歳の田村浩二も宜しくお願い致します!