L'odoriter 料理人の新しいプロダクト。田村浩二の挑戦。

シェフとして、人として。今感じていることを少しずつ綴っていければと思っています。

2018年からは。

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2017年7月20日から始めたこのブログも、気が付けば半年が経とうとしています。

 

これまでは料理人としての自分を如何に知ってもらうかを基準に書いてきましたが、来年からは、より『田村浩二』というパーソナルな部分を意識して、ありのままの自分を出していきたいと思います!

 

真面目な話は真面目な、砕けた話は砕けた文章で。

 

今までの僕は、「自分はこういう人間だから」「こんな風に見られたい」「隙を見せずに、常に出来る自分でいる」というような、【作られた自分】を演じている所がありました。ただそれは自分がそうあるべきと思っていただけで、周りの人はそんなことを求めているわけではありません。

 

 

 

 

自分らしく楽しくありのままで。

 

 

 

 

 

 

仕事の合間には漫画ばかり読んでるし、部屋はそこそこ汚いし、仕事以外の事は割りと抜けている。普通の人間です(笑)

 

 

ただ、仕事に関しては誰にも負けないし、負けたくない。自分の持てる力と知識をフル活用して、人の役に立ちたい。

 

 

今まではお皿の上だけに全てを注いでいました。ひたすらに他にはない自分らしい美味しい料理を作るために。

 

しかしこれからは、生産者や地域、より多くの人の為になる事をしていきたい。自分中心のエゴではなく、世の為人の為に。

 

これから何が出来るかは分かりませんが、なんでも出来ると思っています。

 

 

料理人としてではなく、人として世の中の事にフォーカスし、新しい価値を創る。

 

未熟なただの人間なので、皆さんのお力を貸してください!

 

来年もがんばろ~

 

"ミスターチーズケーキ"の瓶で焼くチーズケーキレシピ!

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みんな大好きなチーズケーキ。僕も昔からケーキといえばチーズケーキでした!

 

chefになる前は、パティシエになりたいと思っていた位甘いものが大好きで、自分で食べたいお菓子を作っていたりもしました。シンプルなものから少し複雑なものまで何でも作りますが、やっぱり一番好きなものはチーズケーキです。

 

ガストロノミーと言われるジャンルで料理を作っていると、今まで見たことのないものや自分らしい組み合わせを作らなければならない。驚きを求められることも多く、それがガストロノミーの醍醐味にも思えます。勿論自分らしさの出せている料理を作れたり、人と違う感性の料理を作ることも大好きです。しかし、もっとシンプルで考えずとも美味しいと誰もが分かる料理を作りにくくなっているなとも感じます。これは個人的に感じているだけで、周りの人はそんな風に感じていないのかもしれませんが(苦笑)

 

そんなこんなで、極シンプルでみんなが大好きなチーズケーキのレシピを少しずつ発信していければなと思います。料理人として修業してきた知識と技術を、シンプルで分かりやすくチーズケーキで表現します!

 

今回は洋梨と柚子の柚子のチーズケーキ!

 

レシピはこちら。

 A

クリームチーズ        200g

サワークリーム        180g

ラニュー糖         120g

 

全卵               3個

生クリーム35%       100g

 

コーンスターチ         30g

 

牛乳              50g

柚子              1個分

洋梨完熟             適量

 

作り方

①ボールにAの材料を入れ常温に戻し、滑らかになるまでよく混ぜる。

 

②牛乳に一つまみの砂糖(分量外)を加え沸かし、すりおろした柚子の皮一個分を加えて香りを移す。

 

③①に生クリーム、全卵、皮をすりおろした柚子のジュースの順番に加えて良く混ぜる。

 

④③に柚子の香りを移した牛乳とコーンスターチを加え良く混ぜる。

 

⑤150mlサイズの丸形の瓶に少量の④を流し入れ、一口大にカットした洋梨を入れる。再度④を8分目まで流し入れ、

 

⑥180℃に熱したオーブンに入れ、10~20分(ご家庭のオーブンによる)加熱し、チーズケーキ上部が固まり始めたらオーブンから出し、余熱で火入れする。

 

⑦粗熱が取れたら冷蔵庫でよく冷やし、洋梨と柚子を飾って完成。

 

(写真の瓶は角型ですが、角が食べにくく洗いにくかったので丸形推奨)

 

 

 

季節に合わせて少しずつレシピを書いていければと思います!!!

 

 

人生100年時代。10年後30年後50年後を見据えた働き方改革。

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最近人生100年時代という言葉をよく聞きます。

 

いくつになっても学び直しができ、新しい事にチャレンジできる世界。と言われていますが、本当にそうでしょうか?人生が長くなればなるほど必要なお金も増えていきます。働く期間も長くなるでしょう。

 

僕は料理人として働いていますが、60歳70歳まで現役で入れるかわかりません。体を壊せばその時点で料理人として調理場に立ち続ける事は難しいでしょう。しかし僕達料理人は日々そのリスクと隣り合わせで働いています。怪我をしても、風邪をひいても休めない。休みにくい環境が当たり前だと思ってますが、一般的ではありません。

 

ではそもそも何故そのような環境になるのか?人が少ないから。では何故人が少ないのか。労働時間が長いから?給料が安いから?休みが少ないから?他にも技術の共有が出来ておらず、代わりになれる人がいないという問題もあるでしょう。またレストランという特殊な労働スタイルも拍車をかけていると思います。

 

一昔前は、レストランの数もシェフの数もここまで多くはありませんでした。おそらく他の業界でも同じことが言えるでしょう。今は全てのものが飽和状態。新しく出てきている勢いのある会社は、今までなかったサービスや、新しいテクノロジーの上に成り立つものが多いでしょう。AI化が進み、今後多くの職業が無くなると言われています。その中でもシェフという仕事は残っていくと言われていますが、果たしてそうなのでしょうか?

 

本当に力のあるシェフ以外は確実に淘汰されていくと僕は感じています。今の速度のままレストランが増えていけば、同じかそれ以上の速度でレストランは消えてくでしょう。僕はそうなる前に自分にしかできない仕事のカタチとライフスタイルを確立しようと、今を生きています。まだその理想形は見えていませんが、走りながら時代の変化に合わせながらアジャストしていければと。

 

シェフがレストラン以外の仕事を始めると、ネガティブな事をささやかれることが少なくありません。なので、色々な仕事をしていたとしても、公表してない方もいると思います。でも僕はあえて自分の活動を公表していくことで、料理人としての新しい働き方と、僕の料理以外の可能性を多くの人に見てもらいたいと思っています。

 

 

 

労働時間が長く休みも少ないからこそ、新しい働き方を、自分の目指すライフスタイルに合う仕事の作り方を考える必要あります。料理人として10数年1日の3分の2を仕事に充ててきた忍耐力と体力を、少しだけ頭を使う力に変えていくだけです。変化を恐れず、理想とする未来の為と、今後料理人を目指す若者の新しい指標になる為に。

 

これまで体制があまり変わってきていない業界だからこそ、改革出来る事があるのではないでしょうか。僕は自分と周りの仲間を信じて新たな道を切り開きます。

 

 

 

 

 

自己紹介30。パリ無職、初めての働かないクリスマス。

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秋も深まってきた11月13日、約半年ぶりにパリに戻ってきた。

海と自然に囲まれた南仏とは違い足早に歩く人たちを見ると、東京に帰ってきたような感覚になる。

 

やけに多いパトカーに違和感を感じながらも家に帰り、ネットが繋がらなかったので早めに眠りについた。

 

次の日、ネットを繋ぎFacebookを見ると、家から20分くらいのところで大規模なテロがあったと分かった。道理でタクシーがあんなに走っていたわけだ。ヨーロッパはテロが多いと聞いていたが、まさか自分の近くで起こるとも思わず、少し恐怖を感じた。それでも街は少し人ひと気が少ないくらいで、静かに動き出していた。

 

テロも怖いが、仕事が見つかっていない自分の今も十分怖い。またゼロから働き口を探さなければならないのだから。また地方に行くべきか、パリで働くべきか悩んでいたところに一通のメッセージが来た。日本でお世話になているフロリレージュの川手chefに紹介して頂いた、レストランESの本城chefからだ。

 

「年明けから働ける人を探しています。もし誰か心当たりがあれば教えてください。」

 

「僕も仕事を探しています。来年6月までなので、期間が短いのですが。」

 

こんなやり取りから、会ってお話をさせていただくことになった。フランスに行く前から川手chefにお話を頂いていたこともあり、とてもありがたいタイミングだった。

 

本城昴結稀さん、パリの調理師学校を経て三つ星アストランスで修行。東京のカンテサンスの立ち上げから参加し三つ星を得た後再渡仏。マルセイユの三つ星プティ・ニースやスペインムガリッツ、デンマークのノーマなどで働き、自身の店ESを立ち上げました。

 

経歴だけ見ても、とてもすごい方だと分かる。実際に会ってみると、とても物腰が柔らかく穏やかで優しい方で、同じAB型という話題でも盛り上がり、(川手chefもAB型)僕がビザの関係で残りの働ける期間が短い事と、本城chefのスタッフが一時的に抜ける期間がほぼ同じだったこともあり、このご縁にお世話になる事にした。

 

 

とはいえ働くのは来年から。年内はどうしようかと悩んだが、中途半端に働くくらいなら、一か月のんびりしようと決めた。料理人となって初めて働かないクリスマス。それまで働いたミラズールの事や自分の料理の事をまとめつつ、冬のフランスの食材に触れる時間を増やし、贅沢な一か月を過ごした。

 

年が明ければまた仕事が始まる。今度はどんな出会いとハプニングが待っているのか。

 

フランスの最終章が始まる。

サスティナブルシーフードの事を考えよう。

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11月26日2回目となる恵比寿レストランJULIAさんとのコラボイベントをしました。

 

1回目のテーマは『サービスマンの重要性』

レストランにおいてサービスマンがどれだけ大切か改めて確認し、レストランの楽しさをもっと知ってもらおうという企画でした。

 

2回目の今回は、日本の大切な資源【魚】について考えてもらう、『サスティナブルシーフード』

知らず知らずのうちに枯渇していく魚たちを、孫の世代も美味しく食べれるよう東京のシェフ達が中心となり、世話人佐々木ひろ子さんのもとに集まり「Chefs for the Blue」として活動を始めています。先日行われたファーマーズマーケットでも、6人のシェフが料理を通して情報を発信しました。

 

僕が何故この取り組みに熱を入れているのか。僕は神奈川県三浦市という海の近くで育ち、当たり前のように食卓には刺身が並んでいました。小さなころから漁港に行ったり朝市に行ったりと、魚は常に身近な存在だったのです。それもあってか、フランスでも海の近くで働き、新鮮な魚介を調理していました。

 

そんな身近な魚達が、取り返しがつかなくなる直前まで追い込まれている。当たり前だった魚のある生活が、当たり前ではなくなる日がすぐそこまで来ている。それが分かっているなら何かしないといけない。行動しなければ確実に魚はなくなるのだから。

 

話はコラボに戻りますが、1回目のコラボが終わった時点で又何かやりましょうと話をしていた。そしてやるならただのコラボではなく、何かメッセージ性のある事をしましょうと。やるなら『サスティナブルシーフード』しかないと思っていたのです。

 

ただ僕はレストランで使う魚を変えることが、日本の魚を変えることになるとは思っていません。勿論日々の事から変えていくことは大切ですし、小さな積み重ねはいつか大きなエネルギーになるでしょう。

 

ただ、もうそれでは間に合わないのです。あくまで僕たちchefに出来る事は、情報発信ときっかけを作る事です。この活動を料理というツールを使い、沢山の人に知ってもらいもっと大きなムーブメントを起こすために。僕らが行動を起こして終わりではありません。それを見て聞いた人が、さらに広げていかなくてはならないのです。その為に繰り返し発信し続ける事が大切だと思います。

 

この思いに賛同してくださった、JULIAのお二人には本当に感謝しています。そして沢山のアドバイスと、当日足を運んでくださったひろこさんにもこの場を借りて改めてありがとうを伝えさせてください。また、食事にきてくださった皆様も本当にありがとうございました。

 

この活動は生涯続けていくライフワークになると思っています。今も別のプロダクトの開発を進めています。少しでも多くの人に、この活動に興味関心をもって頂く為に、これからも頑張ります!!

 

 

自己紹介29。言葉の壁再び。

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ガルドマンジェのシェフドパルティーになってから、僕の下に二人の研修生がついた。

 

一人は同い年のアルゼンチン人「フリオ」、もう一人はイタリア人女性の学生(名前は失念、その理由は後ほど)だ。フリオは陽気で優しい料理人。だが、フランス語も英語もあまり話せない。(スペイン語は話せる)イタリア人は、イタリア語しか話せなかった。戦場のような調理場で、コミュニケーションがまともに取れない二人と共に料理を作っていく。

 

言葉の壁だけならまだしも、学生はそもそもの技術もまだなく、全ての作業を確認しながら進めなくてはならず、少しでも料理を出すのが遅れればシェフから怒号が飛ぶ。イタリア人のダヴィデや、スペイン人のスタッフに間に入ってもらいながらなんとか回していたが、僕も気が長い方ではなく、毎日怒鳴りながらの営業。

 

そんな中、イタリア人の学生は気がついたらイタリアへ帰っていた。

 

フリオとは年齢も近かったこともあり何とかうまく仕事をしていたが、忙しくなるとどうしても怒ってしまっていた。それでもフリオは嫌な顔一つせずついてきてくれたことがとても嬉しかった。

 

フランスで人を使うという経験はこの短い期間しかなかったが、それでも多くの学びがあり、改めて言葉の大切さとコミュニケーションの取り方を考えさせられた。

 

 

 

秋も半ばになると、研修生たちは国に帰り始める。マントンに沢山いた人も次第に少なくなり、シーズンの終わりが見えてきた。シェフドパルティー達は変わらないが、研修生の数は半分ほどになりルームメイトのハンタ―もアメリカに帰る。一年という期限の半分をマントンで過ごし、多くの素晴らしい仲間と出会い、世界のトップクラスのシェフと働けた。

 

 

最後の週は、それぞれ今まで作ってきた賄で一番印象に残っている物を皆で話し合い、それぞれリクエストに答える賄だった。僕は『カレー』だ。散々和食を作ってきて最後にカレーかと笑ってしまったが、全員一致だったのでそれはそれで嬉しかった。カレーには何かご縁があるのかもしれない。

 

 

あっという間の半年間。それでも一生忘れることのない、自分の人生を変えた半年間。

 

沢山の経験と想いを胸に、僕はパリへと戻る。

 

 

自然塾『何が僕らを突き動かすのか。』

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11月20日茨木の寒空の下、普段とは違う空気の中イベントを迎えていた。

 

料理人として呼ばれたイベントですが、するのは料理ではなくトーク。今を生きる料理人が、何を考えどう生きていくのか。沢山のレストラン、シェフがいる中でどのように個性を出していくのか。そんなクリエイターの考えや悩み、今後の展望などを語る場でした。

 

普段からお世話になっているジャンジョルジュ東京の米澤シェフにお声がけ頂き、81の永島シェフと3人で茨木にある秋庭農園さんにて『自然塾』の澤田さんの元このイベントが開かれたのです。僕たち3人が講師となり考えや哲学を話す。そして受講するのはポケットモンスターを開発しているGAME FREAKの皆さん。

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職種は違えど、モノを作るクリエイターとしての共通項は必ずあるはず。料理人という仕事とは何なのか、何故海外へ修行に行ったのか、帰国してからどのように料理や様々なコンテンツを生みだしてきたのか。3人の料理人がそれぞれを象徴する自己紹介のアイテムを持参し、自分の考えやバックボーンを語る。3人3様の世界観、しかし根底で考えていることは共通している。

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3人で話しながら強く思ったことは、『料理人の価値を高める』という事と、『料理人の枠を超えたところで戦う』という事。時代の流れと共に変化していく強さを持つ。

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本当に沢山の話をし、様々な質問に答える中で明確になっていく自分の思い。

 

途中畑へ野菜を収穫に行き、普段都会では出来ない体験もして頂いた。

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そして自分達で取った野菜を僕達料理人が焼き、皆で食べる。BBQという火を囲みながら食べる料理は、僕達の壁を取り払ってくれた。

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 最後には全員でディスカッションし、素晴らしい空気の中終わりを迎えることが出来たと思う。

料理人の枠を超えてこれからも様々な活動をしていけたらと思います。

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