L'odoriter 料理人の新しいプロダクト。田村浩二の挑戦。

シェフとして、人として。今感じていることを少しずつ綴っていければと思っています。

自然栽培農法とは。

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神奈川県平塚市。ふとした事からこの地に足を踏入れることとなった。

 

料理において『香り』を1番重要視していると発信し始めてから、多くの方に香りにまつわる食材を紹介して頂いている。

 

その中で一番衝撃的だった食材は『薔薇』だ。

 

先ず食べるという感覚が皆無。

 

そして圧倒的なその香りに、僕は一瞬にして虜になった。

 

無肥料、無農薬で薔薇を作る横田さん。

 

元々は観賞用としてバラを作っていたのだが、バラとはとても栽培が難しく、虫も付きやすく、一般的には農薬を使うそうです。

 

そんな中、横田さんは農薬を使う事に疑問を覚え、無農薬でのバラの栽培を始めました。そして、無農薬で作るなら観賞用では無く、食用として作ろうと始められたそうです。

 

バラの天敵はアブラムシ。通常は農薬で除去するそうですが、無農薬の横田さんは近隣の無農薬の畑にいるてんとう虫を捕まえてハウスに放しアブラムシを食べさせています。

 

他にはバラの隣にピーマンを植える事で(コンパニオンプランツ)バラに虫が寄るのを防いだりもしています。

 

そして無肥料。野菜でも肉でも魚でも、食べるものによって味が変わります。バラも同じで肥料を与える事で、肥料の味がするそうです。そこで横田さんは、バラ本来の味わいと香りを大切にする為に肥料を使う事もやめます。

 

その代わりに土をしっかりと作り込み、養分の豊富な土でバラを作る事で自然なバラの味わいと香りを引き出しています。

 

僕は無農薬が正義だとは思いません。ただ横田さんは自身が求めるクオリティーの為に農薬を使う事をやめました。それがとても大変な事だとしても、自分がこのバラは本当に良いと胸を張れるように。

 

自然と共に生き、自分が本当に良いと思えるプロダクトを作る事が出来るのは、とても幸せな事だと思います。

 

良いものを作る為には時間も手間もかかります。それは料理も同じです。時間をかけた分だけ、想いを込めているのです。その為には何かを犠牲にしなければいけないかもしれません。それでもその苦労の分だけ(もはや苦労ではないかもしれない) 喜びがあり、生き甲斐があるのだと想います。

 

横田さんは素敵な笑顔でバラの話をしてくれました。そして、少しでも多くの人にこのバラの事を知ってほしいとも。

 

一般的な食用バラのベルローズ(小さなバラの花)と比べ、千倍の香りがある横田さんのバラを料理の力でより多くの方へ。

 

バラの香りの持つ力を感じて下さい。

 

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