L'odoriter 料理人の新しいプロダクト。田村浩二の挑戦。

シェフとして、人として。今感じていることを少しずつ綴っていければと思っています。

料理人としてどう生きていくのか?

f:id:koji-tamura0929:20171109154054j:image

10月29日、東京駅近くのパソナTRAVEL HUB MIXで、新会社.sience(ドットサイエンス)の設立記念イベントと新しいプロダクト、香りを食べるアイスクリーム『FRAGLACE』の発表会を行いました。

f:id:koji-tamura0929:20171109154611j:image

 

初めてのイベントという事で不備も多々あったと思いますが、パソナの皆様のお陰で何とか無事に会を収めることが出来たと思います。

 

台風で雨足が強い中40名近くの方たちにお集まりいただき、日頃お世話になっている生産者の方とその食材を使った料理を楽しんで頂きながら、僕らの会社の活動や今後の展望、そして生産者の声を聞いていただけたのではないかなと。

 f:id:koji-tamura0929:20171109154734j:image

f:id:koji-tamura0929:20171109154737j:image

そもそも僕たちの会社は何をしていく会社なのか?

 

元ヤフーでマーケティング担当の小澤亮と、研究者でエビデンス担当(プロダクトの価値の見える化)の木村龍典、そして生産者の価値あるプロダクトを調理という技術でクリエイトする僕の3人で立ち上げた、食材のブランディングと、その価値とストーリーを多くの人に伝えていくことで、日本の大切な資源や伝統的な技術を再認識してもらい、100年先まで守っていく。そんな想いの会社です。

 

まだ立ち上げたばかりで、今後様々な可能性のある会社だと思っています。

 

その取り組みの第一弾として、無農薬無肥料で作る食用のバラを使ったアイスクリームを開発しました。まだ食材としての認知度の低いバラですが、その価値は他に類を見ないほどです。香りを自身のテーマに掲げる僕は、このバラとの出会いに運命的なものを感じました。現状添えるという選択肢が多いですが、そうではなく、きちんと食材の事を理解し、そのポテンシャルを100%引き出す使い方を多くの人に知って頂きたい。バラの美味しさを知ることで、生産者の仕事の価値を伝えたい。

 f:id:koji-tamura0929:20171109154841j:image

こうゆうシェフとしてのレストラン以外の活動をすると、『シェフなのに』というネガティブな声が少なからず聞こえてきます。一つの道を究め続けるのが美学の日本では、それはある種当たり前なのでしょう。僕自身もその考え方は嫌いではありません。しかし、時代が変わり、働き方が変わり、人の考え方も変わる中で、今までと同じ働き方をすることに少し息苦しさも感じています。

 

僕はとても無駄が嫌いです。料理にしても必要のない飾りの為だけのアイテムを乗せたくありません。自分の能力に関しても無駄にしたくない。レストランでの料理は大好きですが、それは僕の能力の一部でしかありません。美味しいカレーを作ることも出来るし、ハーブやフルーツでアロマティーを作ることもできます。人に何かを伝える時に、言葉でも、文章でも明確に表せます。全部が自分の能力で個性です。

 

シェフをしているからレストランで働くだけなんて、自分の能力を生かす機会損失だと感じます。時代が進み、コミュニケーションの仕方と速度が変わったからこそ、このように感じるようになったのです。

 

そして、デジタルネイティブと呼ばれる次の世代ならなおさらだと。そんな彼らの働き方の方向性を広げていくのも、僕たち若手シェフの役割だと思っています。カンテサンスの岸田シェフがレストランの仕組みを変えた様に、傅の長谷川シェフが日本料理の可能性を広げた様に。30代前半の今だからこそ、新しい取り組みを、賛否両論ありながらも突き進むべきだと。

 

まだ何も結果は出せていません。

 

でも、だからこそ、今の自分を信じ、未来の自分に期待を込めて、こうして少しでも世の中に投げかけていく。自分から発信することで、多くの人に届き、巻き込めるように。

 

年齢や経験は関係ない、やるかやらないか。出来るかどうか悩むくらいなら、先ず一歩踏み出そう。