L'odoriter 料理人の新しいプロダクト。田村浩二の挑戦。

シェフとして、人として。今感じていることを少しずつ綴っていければと思っています。

日々の仕事の中から学ぶこと。

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華やかに思われる料理の仕事だが、その中身は単純作業の繰り返し。ひたすらタマネギを切ったり、カボチャを裏ごししたり、魚の骨を抜いたり。特に若いときはそうゆう仕事が多く、こんなことをするために料理人になったんじゃないとやる気をなくす人も少なくない。

 

僕もそんな仕事が嫌な時期があり、早く『料理がしたい』と思っていた。ただそうゆう仕事を続けていくと、本当に大切なことが見えてくる。料理において『丁寧』というスキルは極めて重要で、丁寧の積み重ねの上にしか美味しい料理は生まれない。これはどんな仕事にも共通するが、始めが雑な人は終わりも雑だ。最初に崩れた仕事は、最後どんなにうまくまとめた様に見せてもグラグラと揺れていて壊れないかと不安になる。そうゆう仕事ほど、分かる人にはすぐ見抜かれてしまう。

 

タマネギを丁寧に炒めるだけで、カレーは美味しくなる。適当に炒めたタマネギにはカレーに深みを与えることが出来ないから。人も同じで、丁寧を積み重ねてきた人には得も言われぬ深みが存在する。適当な人はメッキがすぐにはがれてしまう。そんなことを賄のカレーを作りながら修業時代に感じていた。どんな些細なことでも丁寧に積み重ねることで大きな結果につながるんだなと。

 

それからは、どんな仕事も自分を作る大切な物だと考えるようになり、今まで続けてこれたのだと思う。

 

若い料理人の方たちによく見て頂けているようですが、どんな仕事も大切に日々を過ごしてもらいたいなと感じます。大切なのは技術以上に心の持ち方です。

 

僕も今一度心に刻んで働いていこうと思います。